はじめに
マイケル・ジャクソン。
彼の名前を知らない人は、おそらくほとんどいないでしょう。
歌手としてだけではなく、ダンス、ミュージックビデオ、ファッション、ライブパフォーマンスのすべてで時代を変えた存在です。
私の中で印象深いのは、マイケルが2006年のSMAP×SMAPに出演した時のことです。マイケルが来ることはSMAPメンバーには内緒だったようで、SMAPメンバーの驚きと混乱と興奮の中、マイケルが話し始めたのが
「Hello.I’m very happy to be here.」みたいなとこを話して、あなたたちのパフォーマンス観たよ。Niceとかも言っていたと思います。うろ覚えですがこんな内容だったと思います。
ただ、何を言ったではなく私はそのとてもやさしい声や話し方でこの人の曲が聞いてみたいとなりそこからファンになりました。
マイケルは、ギネスブックからも公式に「史上最も成功したエンターテイナー」「史上最も多くの慈善活動を支援したポップスター」の称号を与えられています。
そして、インターネットもSNSもない時代に、テレビやラジオ、そして自身の圧倒的なパフォーマンスだけで世界中にその名を広めました。
その認知度と影響力は、今振り返っても驚異的なものだったと思います。
今回は、そんなマイケル・ジャクソンが亡くなった時のチャートを検証しながら、P太陽=N土星/冥王星という配置について考えてみたいと思います。

出生図に刻まれていた人生のテーマ
asc合の魚座月
彼の出生図を見ると、まず目を引くのが魚座ascに重なる月です。
月は5ハウスルーラーであるため、マイケルのクリエイション・表現はこのascに重なる魚座の月が担っております。
どうしても『ムーンウォーク』を想像してしまいますよね🌙
世界中の人々がマイケルの音楽やパフォーマンスに強く感情を動かされたことを思うと、とても象徴的な配置です。
また魚座の月は、境界線を越えて人の痛みや喜びを感じ取る力でもあります。
彼の楽曲や慈善活動の背景には、この魚座らしい共感性が強く働いていたのかもしれません。
mcに重なる土星
もう一つ特徴的なのが、mcにぴったり重なる土星です。父親との厳しい関係は広く知られています。
私自身は、当時語られているエピソードを見る限り、現在であれば虐待と受け取られる内容も少なくなかったように感じます。
完璧に歌い踊れないとベルトで叩かれるとかでしたよね。マイケルの遺言書には父ジョーへの遺産分配は一切かかれておらずジョーは裁判を起こしています。(要求は全て却下されています)関係性が少し見える一つかと思います。
ただ、この土星は父親だけを意味していたわけではないとも思います。
土星は11ハウスと12ハウスのルーラーでもあり、その土星がmcにぴったり重なっています。
11ハウスは友人の部屋ですが、他にも人道的活動・NPOもこのハウスの象意です。また多くの人々や支援活動、社会への貢献も。
そして、12ハウスは病院や施設、弱い立場の人々、表に見えない世界を示します。
マイケルは生涯を通して数多くの慈善活動を行いました。
ギネス記録に載るほどの基金を動かす一方で、自らの名前を伏せて病気の子どもの手術費を負担したり、個人的な援助を行ったことも知られています。
公的な仕組みとしての支援と、人知れず差し伸べる救済。
その両方を実践していた姿は、11ハウス・12ハウスルーラー土星がmcに重なる姿そのもののように感じます。
マイケルの資産の20%は慈善団体への寄付と遺言書にもあったそうです。
太陽6ハウス乙女座ジュノーと合|太陽・ジュノー=冥王星/des(直接)
太陽は乙女座6ハウスにあります。
6ハウスは仕事や労働、健康管理、日々の積み重ねを表します。
マイケルは世界的スターでしたが、その成功は才能だけで成り立っていたわけではありません。
より良いパフォーマンスを追求するための細かな修正。クオリティーを高めるための繰り返しの練習。完成したものに満足せず、さらに磨き上げようとする姿勢。
そうした乙女座らしい徹底した改善意識が、この太陽にはよく表れているように思います。
また6ハウスカスプは獅子座であり、そのルーラーである太陽が6ハウスにあります。
彼の輝き(太陽)を支えていたのは、人に見えない場所での努力や調整(6ハウス)だったのでしょう。
一方で6ハウスは病気・健康とも関わるハウスです。
後年の不眠や身体的消耗を考えると、この配置は人生後半のテーマとも深く結び付いていたように思います。
さらにこの太陽は、冥王星とdesのちょうど中間に位置しており、ハーフサムで太陽=冥王星/des(直接)が成立しています。
人々から絶大な支持や影響力を得る一方で、対人関係や社会との関わりの中で極端なプレッシャーや心理的負荷を背負いやすい配置です。
世界中から注目され続けた彼の人生を思うと、この配置も非常に象徴的です。
そして、この太陽にはジュノーがぴったり重なっています。
私はここに、マイケルが人生を通して戦い続けた「尊厳」や「正当性」のテーマを感じます。
性的虐待疑惑による告訴・執拗なバッシング・そして黒人アーティストへの偏見。
彼は法廷や音楽活動を通して、自らの潔白や尊厳を守ろうとしました。
また、人種差別が色濃く残る時代に、一人の黒人アーティストとして世界の頂点に立ちました。
それは単なる成功ではなく、
「正当に評価されるべき権利」を実力で勝ち取った人生でもあったように思います。
2009年6月25日
そんなマイケル・ジャクソンは、2009年6月25日に亡くなりました。
死因は麻酔薬であるプロポフォールと睡眠薬による急性中毒からの心肺停止。
私は美容外科看護師として働いていた頃、実際にプロポフォールを扱っていました。
プロポフォールは非常に優秀な薬剤ですが、麻酔薬ですので血圧低下、徐脈、呼吸抑制、呼吸停止などを起こす可能性があります。
そのため、本来は厳重なモニタリング体制のもとで使用される薬剤です。
では、その時のチャートには何が起きていたのでしょうか。
進行図から
まずn火星とp土星の150度、pmcとp土星の45度が目を引きます。(前年のSR時はn土星とp金星セクスタイルで、亡くなった日は1度を少し超えてセパレートですが年運をみるときには考慮します)※SRはソーラーリターン
そして、p太陽=n土星/冥王星(直接)も。
土星/冥王星のハーフサムは、重圧、限界、避けられない現実との対峙、極限状態などを示すことがあります。
人生の中でも特に重いテーマが動く時に見られることの多い組み合わせです。
しかし、私はこの配置を見て、
「p太陽=n土星/冥王星だから亡くなった」
とは考えていません。
なぜなら、このハーフサム形成は近い誕生日の人にも形成されるからです。
重要なのは、この配置のほかに何が表示されていたかです。
当時のマイケルのチャートでは、上記以外の形成はp水星/p海王星=nmc・n土星に45度。判断の曖昧さや混乱、精神的疲労、現実認識の揺らぎなどを示しやすい配置です。さらに、pasc=p太陽/冥王星=p太陽/海王星もタイトに形成されていました。
太陽/冥王星は極限状態や強制的な変化。太陽/海王星は消耗や混乱、方向性の喪失などとして現れることがあります。
それらがpascに結び付いていることから、この時期は人生全体や心身そのものに大きな負荷がかかっていたことがうかがえます。
また、n水星とp太陽はセクスタイル。n水星は出生図で4ハウスと7ハウスのルーラーであり、n6ハウスに位置しています。
4ハウスは人生の終わりや休息の場所・7ハウスは他者を示し、6ハウスは健康と労働を示します。そのため、この時期のp太陽(本人自身や方向性)に対して、n水星が象徴するテーマが関わっていたとも読むことができます。
そしてこの頃、p月とn木星はスクエア。どこか気持ちの緩みやすかったということも今となっては考えられるでしょう。
ソーラーリターンチャートから
ソーラーリターンチャートにも強くでていました。とは言えども、P(進行図)の方が大いに重要です。すでに専門用語過多になっていますのでご興味ある方のみどうぞ!
8ハウスルーラーの金星が7ハウスにあり、10ハウス冥王星とスクエア。
8ハウスは死や終焉、避けられない変容を象徴するハウスです。そのルーラーである金星が7ハウスに入ることで、「他者」や「対外的な関係性」と8ハウスのテーマが強く結び付いています。
金星と冥王星とのスクエアも形成されていることから、この年は人との関わりやこの時代の社会との接点の中で、極めて大きな変化や人生の転換が起こりやすい配置だったと考えられます。
また、ndesにt土星がコンジャンクション。desへの土星の通過は、他者との関係性や人生の重要な節目を強調していたのでしょう。
そしてソーラーリターンでは、太陽と土星が6ハウスでコンジャンクション。6ハウスは健康や日常生活、労働、身体の管理などを表します。
そこに土星が重なることで、健康面での負担や身体的な制限、日常生活の維持そのものに重圧がかかりやすい時期だったことがうかがえます。
また、太陽と土星の組み合わせは責任や重圧、現実との対峙を強調するため、当時のマイケルが抱えていた身体的・精神的負荷の大きさを象徴しているようにも見えます。
p太陽=n土星/冥王星はマイケルだけに起きていたわけではない
ここで興味深いことがあります。
先ほども記したように、p太陽=n土星/冥王星(直接)は、同じ生年月日や近い誕生日の人であれば、比較的近い年代に形成される配置です。
そのため、この配置が形成されたからといって、必ず同じ出来事が起きるわけではありません。
実際に、マイケル・ジャクソンと近い生年月日の人物を調べてみると、興味深い事例が見つかりました。
スコット・ハミルトンの場合
マイケルと誕生日が1日違いの元フィギュアスケート選手、スコット・ハミルトンも同時期にp太陽=n土星/冥王星(直接)を形成していました。
スコットは2010年、スコットは2010年、過去の脳腫瘍に関連する脳の手術を受け、その後合併症も経験しましたがその後、回復もしております。
マイケルにとっては死として現れた配置が、スコットにとっては身体や健康、手術というテーマとして現れたことになります。
もちろん、スコットのチャートを詳しく見ていくと、健康や手術を象徴する別の形成も確認できます。
つまり、p太陽=n土星/冥王星だけで説明できるわけではありません。
しかし、人生の中でも重いテーマが動いていた時期であったことは共通しているように思います。
レニー・ヘンリーの場合
また、マイケルと同じ生年月日の俳優・コメディアンであるレニー・ヘンリーも、同時期にこの配置を形成していました。
レニーは2009年から2010年にかけて、結婚生活に区切りをつけています。
一方で、2010年には修士号を取得し、新たな人生へ歩み始めました。
終わりと始まり・喪失と再出発。
土星/冥王星らしいテーマが、レニーの場合はパートナーシップや人生の方向転換として現れていたように見えます。
こちらも詳しく見ていくと、関係性の変化や人生の再構築を思わせる別の配置が重なっていました。
一つだけ同じ形成ががあってももちろん同じ人生にはなりません。
マイケルには死として。スコットには病気の手術として。レニーには離婚と再出発として。書いていませんがマイケルと生年月日が一日違いめでの有名人のチャートを読んでいます。
同じように土星/冥王星とp太陽が関わっていても、実際に起きる出来事は人によって異なります。
出生時間や出生地が変われば、アングルやハウスも変わります。そして、そこに重なる他のプログレス、ハーフサム、ソーラーリターン、トランジットも一人ひとり違います。
だからこそ、
p太陽=土星/冥王星
という一つの配置だけで出来事を断定することはできません。
しかし一方で、人生の中でも重いテーマが動く時期であることは確かに感じられます。
星も私たち人間も一つの形成・一つに視野だけで決めつけてはいけない。
全体を視ることの重要性が分かるかと思います。
亡くなってもなお、、驚きです
そして2026年4月から伝記映画『Michael』の公開によって、再び世界中でマイケル・ジャクソンが語られています。
現在のマイケルの進行図をみて驚きました。p太陽・p金星・p木星が重なっています。
生涯を終えた後もなお、その音楽やメッセージは人々の心に生き続けています。
p太陽・金星・木星の重なりは、マイケルという存在が時代を超えて愛され続け、再び光が当たる時期を象徴しているように思えてなりません。
映画でマイケル役を演じるのはマイケルの甥っ子であるJaafar Jacksonです。Jaafarの金星がマイケルのICに重なっていることも印象的です。
ICはルーツや原点を示す場所です。Jaafarが演じることで、マイケルの人生の根底にあった想いや魅力、人々を惹きつけ続ける価値に改めて光が当ててくれるのだと楽しみにしています。
彼がどのようにマイケルの魂をスクリーンに蘇らせてくれるのか。マイケルの偉大な人生に最大にリスペクトを捧げつつ、この奇跡のような作品を劇場で見届けたいと思います。
現在募集している伴走プログラムはこちらから▽
新月読みや満月読みはnoteに書いております。
是非、読んでみてください。



